ホースシュー

2026年の干支、午年にちなんで、
幸せを呼ぶラッキーモチーフ、馬の蹄につける蹄鉄の柄です。

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ほんの数十年前まで、馬は社会の基盤だった。人々は馬車で移動し、商人は馬で商品を運び、農民は馬の力で土地を耕し、兵士は馬に乗って戦った。歴史のなかで馬が家畜化され、人間の「足」となったのはいつだろうか?

野生の馬は約400万年前に北米で生まれ、ベーリング陸橋を渡ってアジア、ヨーロッパ、アフリカへと広がった。人類にとっては、最初は肉を得るための獲物だった。

1990年代に馬の家畜化についての科学的探究が始まった。西アジアのステップ地帯にある5000年前以前のヤムナ文化の遺跡から出土した馬の歯にハミの痕が見られたことから、この時期に馬が家畜されたとの「クルガン仮説」が提唱された。馬に乗ったヤムナ人がユーラシア一帯に進出し、クルガンと呼ばれる墳丘墓と、今日の言語のもととなったインド・ヨーロッパ語をもたらしたとの見方だ。

だがこの馬の骨の放射性炭素年代測定を実施したところ、ヤムナ文化のずっと後、3000年前以降のものとわかった。それでもクルガン仮説は消えず、考古学者らは西部ステップにあるヤムナ文化と同時代の遺跡、ボタイから出土した馬の歯の特徴から、馬に付ける頭絡の使用が示唆されると主張した。

その後、動物考古学の進歩によって状況が変わり始めた。まず北米の氷河期の遺跡で見つかった数十頭の野生馬の歯にボタイの馬と同じ特徴が見られ、頭絡の影響ではなく自然の個体差だと判明した。さらにボタイの馬のゲノムが解析され、そもそも家畜馬の祖先ではなく現存する別種の野生馬だったとわかった。

その後、ユーラシア各地で見つかった馬の骨のゲノム解析から、家畜馬の祖先は紀元前2200年ごろに黒海北岸のステップに出現したことが判明し、クルガン仮説はほぼ否定された。

初期の馬の家畜化を示すの証拠の1つは、カザフスタンにある紀元前2000年ごろの遺跡に二輪戦車とともに埋葬されていた馬の骨だ。

近年ペスト菌のDNA解析から、ヨーロッパを壊滅させた初期株は中央アジアの砂漠やステップで出現し、14世紀初頭に馬による広域移動ルートやシルクロードに沿って広がったことが見えてきた。

家畜馬はその後アフリカのサヘル・サバンナ地域、北米のグレートプレーンズ、南米のパンパ、さらにオーストララシアや太平洋の島国にまで到達し、新たな文化を形作った。

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馬の祖先が誕生したのが、およそ5500万年前。
人が馬を家畜化したのが、およそ6000年前。
日本に馬が渡来したのが、5世紀はじめ頃。
京都の上賀茂神社で加茂競馬が行われたのが、1093年。
イギリスで、サラブレッドと近代競馬が誕生したのが、1700年代前半頃。
横浜の根岸で、洋式競馬(近代競馬)がはじまったのが、1860年代頃。
そして、これからも人と馬の物語は続いていく・・・。

「身につけていると幸せになれる」といわれる”ラッキーモチーフ”。
四つ葉のクローバーや月など数々のモチーフがありますが、馬の蹄につける”蹄鉄”もそのひとつ。
蹄鉄(ていてつ)は主に馬の蹄に付ける金具のことを言い、馬蹄(ばてい)は馬の蹄を守るために装着するものの総称です。

そもそも野生の馬に蹄鉄は必要ありません。野生の厳しい環境下で栄養価の高い自然の餌で生活することで蹄が頑丈に発達するためです。
一方、家畜として飼われる馬は、多様性の少ない餌で栄養が十分にとれず、限定された環境で育つため、蹄が発達しにくく傷にも弱くなってしまいます。また馬車や積み荷などで馬が受ける負荷が増すことも、より蹄を磨耗させてしまうため、蹄の形に沿った蹄鉄を装着するようになりました。

ラッキーアイテムの所以は諸説ある
人と馬の歴史は深く、蹄鉄も中世以降のヨーロッパを中心に広がりました。
あわせて馬蹄はヨーロッパでは伝統的なお守りとされていて、魔除けや富の象徴などの意味が込められていますが、その起源は諸説あります。

ヨーロパ民族ケルト人が、ダーナ親族を鉄器と騎馬で打ち倒したことから、邪鬼など異界の住人は鉄=蹄鉄を嫌うとされた
イングランドの鍛冶屋が悪魔の足に蹄鉄を打ち付け、嫌がる悪魔に扉に蹄鉄が留められているときは絶対中に入らないという約束を取り付けた
村人が権力者の馬の蹄鉄を修理して大きな収入を得た
蹄鉄を蹄に打ち付ける釘の数は7つ=ラッキーセブン
また、日本では「馬は人間を踏まない」という性質から「安全運転」のお守りとする風習が生まれました。

人類の歴史は馬と切り離せない。生産手段や交通手段となり、権力の象徴や軍事力にもなり、また友でもあった。

人間の歴史は、「ウマ以前の時代」と「ウマ以後の時代」に分けられると言っても過言ではありません。人間は馬を保有したことによって、人間の歴史の構造を根底から変えるダイナミックな変化をもたらしました。ウマから速い移動速度を得た人間は、世界を探検し、遠方との取引が可能になりました。そして同時に、言葉や文化、病原菌でさえも、かつてないスピードで広まりました。
人間がウマを家畜化できるまでには多くの時間がかかりましたが、家畜化後はほんの数世紀のうちに、世界の各地にまで伝播しました。現代は内燃機関等に取って代わられて、ほとんどウマが登場する機会は減りましたが、「ウマ以後の時代」は20世紀初頭まで続き、人間にとって長らくウマは日常世界になくてはならない存在であり、世界はウマを中心に回っていました。
4000年以上もの間、人間が手懐け征服したウマは、人間にとって最も必要であり、かつ高貴な存在でした。家畜ウマ、荷馬、農耕馬、軍馬、競走馬……。人間の求めによって、ウマの活躍の仕方が変わって行きます。本書は、魅力に溢れるウマの歴史をたどっていくことで、私たちの社会がどのようなものだったのか、私たちの文化や歴史をも解き明かしていく一冊です。

 「人とコミュニケーションができる家畜」として馬は長年人の役に立ち親しまれてきました。
いまから約5千年前、それまで食料として狩猟の対象であった馬(ウマ科ウマ属)の家畜化が始まりました。人が馬の速く走る能力や持久力に着目し輸送・移動の手段として利用するようになったからです。
  その結果、人は大量の物質を遠くまで運搬することができるようになりました。さらに荒れ地を開拓し、広い農地を耕作し、馬は人類の文明発展に大きく貢献してきたわけです。馬の種類も農耕に適した品種、軍事用の騎乗馬など用途ごとに200種類を超える改良がなされました。
  しかし自動車などの文明の利器の発達と引き換えに馬の需要は急速に減少し、また農業の機械化により農耕馬の活躍する場も少なくなってきました。たとえば、「ドサンコ」として知られる北海道和種馬(在来種)は、明治末に9万頭を超えていたといわれていましたが、現在では1400頭余飼育されているにすぎません。世界的にみても娯楽用の競走馬(サラブレッド種)こそ残されていますが、馬品種の数は減少の一途です。

馬は元来「丈夫で力持ち」であり、さらに人による改良により、多様な用途に適した遺伝子をもっています。馬をいかに利用するか、その可能性は実は私たちの想像を超える大きなものなのです。ところで、動物はひとたび絶滅してしまうと、その品種を復元するのは非常に困難です。馬の多様な品種を保存するのは人の大事な役目といえるでしょう。

一つの例として、ここ数年注目されているのがホース・トレッキング(人馬と自然とのふれあい)やホース・セラピー(障害者の機能回復や情緒教育)です。ホース・トレッキングはコンパニオン性のある種類の馬を利用しています。人のストレスを解消し癒し効果が格別です。ホース・セラピーは癒しに加えて、揺れる馬上で馬にしがみつこうと体のいろいろな筋肉を使うことがダメージを負った機能の回復に効果があるのです。

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人と馬の関わりの歴史は大変長く、人類史が始まった5千年前頃には農耕や食用として馬の家畜化が開始したという記録があります。
その後、発展と共に輸送や軍事、娯楽など、様々な目的で馬が使われるようになりました。
紀元前500年には黒海周辺の遊牧民族が乗馬のための道具を発明し、そこから馬を活用した産業が一気に栄えていくことになります。
日本におきましても弥生時代の末期には、日常生活に馬を使っていたという記述が残っており、その歴史の古さを伺うことができます。
時の経過と共に、世界各地で馬術や乗馬が発展していきます。
それまで娯楽やスポーツとしましては馬車を使った競技が主流でしたが、17世紀頃にイギリスでサラブレッドが出現したことで、現代の競馬のスタイルが形成されました。
その後、科学の発展と共に、世界の多くの地域では馬を農業などに使う機会は減り、乗馬やスポーツを行うパートナーとして新たな役割を担っています。

車や電車などの交通機関や便利な機械がなかった時代、馬は経済動物として農業や移動手段のひとつとして大活躍していました。

現代におきましては、馬には新たな活躍の場があり私達と関わっています。例えば乗馬や馬術、トレッキングなどのスポーツのパートナーとして活躍しています。

他に障害者の機能回復などに役立つ「ホース・セラピー」があります。これは動物と触れ合うことで得られる癒し効果により、精神的な疾患の改善や治療を行うために取り入れられている方法のひとつです。

このホース・セラピーには実際に乗馬することも含まれており、人の筋肉をほどよく刺激することができるため、ダメージを負っている器官や筋肉の回復効果も期待されています。

このように人との関わりが深く、歴史の長い馬だからこそ得られるリラックス効果や機能回復効果が高く、有効な治療法として確立されつつあります。

馬はにおいに敏感で、においの強い植物や木の皮を食べません。

この性質に注目し、アヤメやシラカバなど景観保全のために馬を森林保護者として起用する研究を行っている学者もいます。科学が発展した現代おきまして、馬は新たな分野で人と関わることを期待されています。
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なんのためにつける?蹄鉄の役割

馬蹄・蹄鉄の意味と由来|幸運を呼ぶラッキーアイテム


https://kotobank.jp/word/%E8%B9%84%E9%89%84-100286
https://l-co-shop.jp/blogs/blog/magazine-motif

馬と日本人とのかかわり


https://equia.jp/trivia/post-6467.html
https://biome.co.jp/biome_blog_191/
https://www.nodai.ac.jp/web_journal/adventure/vol23.html
https://xn--pck1d9b158oimai14jyq3e.net/knowledge/history.html
https://www.agriworld.or.jp/agriworld1/umabunka/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG270GD0X21C25A2000000/
https://www.iwakipumps.jp/blog/world/13/
https://www.touken-world.jp/tips/40362/
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20180615topics_sensitive_horse.pdf
https://www.elmeaure-toyota.com/

【疲れている人は、お馬さんに癒されよう】